近年、麻雀バーという営業形態のお店の出店が増えています。
麻雀といえば深夜、ギャンブル、タバコの煙といったネガティブなイメージが先行しがちです。
しかし、最近ではスマホゲームの普及などで若者や女性にも人気が広がっています。
2018年にはMリーグというチーム対抗戦のプロリーグが発足して注目を集めました。
中にはアイドル的人気を誇るプロ雀士の方もいます。
また、「健康麻雀」の普及も進んでおり、徐々に麻雀のイメージも変わりつつあります。
このような事情もあり、麻雀バーがちょっとしたブームとなっているようです。
そこで麻雀バーを始めるにはどのような点に気を付ける必要があるのかを解説します。

麻雀バーとは?

東京都内でも麻雀バーという名称のお店が非常に多くなってきている実感があります。
おおむね、下記のような特徴があります。

麻雀の対局を見ながらお酒が飲める

店内にモニターを設置してCS番組などで放送されるプロ雀士の対局を見ることができるお店です。
対局を見ながらお酒を飲むことや、麻雀談義ができます。
麻雀が好きな客が集まりやすいことから話も盛り上がりやすいといえます。
スポーツバーの麻雀版といったイメージです。

プロ雀士と交流ができる

Mリーグなどで活躍するプロの雀士と直接話ができることが売りとなっているお店も多くあります。
特別ゲストとして呼んだり、お店によっては店長やオーナーとして経営されている方もいます。
憧れのプロ雀士と実際に会って話ができることは非常に魅力的です。
しかし、ゲストと会うことを目的とするような営業をしているお店も散見されます。
そのような場合は後述する許認可に気を付ける必要があります。

麻雀が打てる

基本的に麻雀バーは雀卓を設置していません。
つまり、実際に麻雀をプレイできるお店はほとんどありません。
しかし、中には雀卓を設置して、お酒と麻雀を楽しむことができるお店もあります。
通常の雀荘でも飲食は可能ですから、ちょっとおしゃれな雀荘といった感じです。

麻雀バーに必要な許可

麻雀バーを始めるにあたり、必要となる可能性のある許認可は下記の通りです。

  • 飲食店営業許可
  • 深夜における酒類提供飲食店営業の届出
  • 風俗営業1号許可
  • 風俗営業4号許可
  • 特定遊興飲食店営業許可
  • 消防法の届出

飲食店営業許可

麻雀バーは基本的に飲食を提供するお店です。
店内で調理して飲食を提供する場合は飲食店営業許可が必要です。

飲食店営業許可は、お店の所在地を管轄する保健所で取得可能です。

深夜における酒類提供飲食店営業の届出

午前0時以降もお酒を提供して営業する場合に必要となる届出です。
風俗営業ではありませんが、風営法の規制を受けます。
開店できる場所やお店の構造に制限があるので注意が必要です。

また、この営業では接待行為を行うことは禁止されます。
接待行為を行いたい場合は下記の風俗営業許可が必要となります。

風俗営業1号許可

風俗営業1号許可とは、キャバクラやホストクラブなどで必要な許可です。
この許可を受ければ堂々と「接待行為」が可能となります。
麻雀バーには必要ないと思われがちですが、実は必要ではないかと思われるお店は多くあります。
最近のMリーグには元アイドルなどの女流雀士もおり、人気を集めています。
そんなプロ雀士がゲストとして接客行為を行うと「接待行為」とみなされる可能性があります。

個人的には麻雀の話で盛り上がっても「歓楽的雰囲気を醸し出す」とは思えませんが、特定のお客さんに長時間接客すると接待行為とされることがあります。
また、カウンター越しだから大丈夫ということはありません。
さらに指名料やキャストドリンクといったシステムがあると接待行為となる可能性が高まります。
もちろん、女性にかぎらず男性が接客する場合も該当します。
無許可営業となってしまうと風営法では最も重い罪に問われてしまいます。(2年以下の懲役若しくは200万以下の罰金又は併科)
風俗営業1号許可となると、厳しい立地制限や18歳未満の入場禁止、深夜営業の禁止といった規制の対象となります。

風俗営業4号許可

お店に雀卓を設置してゲーム代として徴収する場合は風俗営業4号許可が必要です。
つまり、通常の雀荘と同じ扱いとなります。
雀卓の台数は問われませんので、1台でも設置すれば風俗営業5号許可を受けなければなりません。
風俗営業となるため、上記の1号許可と同様に厳しい規制の対象となります。
また、賭博に該当しないよう気を付けなければなりません。

特定遊興飲食店営業許可

特定遊興飲食店とは、深夜にお酒を提供して客に遊興させる営業です。
風営法ではナイトクラブやショーパブなどを想定しています。
麻雀バーが該当するかについては遊興行為がポイントとなります。
しかし、遊興という概念は非常に抽象的です。

具体的には下記の行為について注意が必要です。

  • 対局の映像を不特定の客に見せて、店側が積極的に応援などを煽る行為
  • お客に対して店側が積極的にゲームなどを行わせる行為

特定遊興飲食店営業は風俗営業ではありません。
しかし、許可を受けるためには風俗営業許可よりハードルが高い場合もあります。

つまり、特定遊興飲食店営業に該当すると開業のハードルは一気に上がってしまいます。

消防法の届出

物件によっては消防法や建築基準法の届出が必要となることがあります。
お店が地下にある場合や高層階にある場合は注意が必要です。
内装工事などを行う場合は、通常工事業者が必要な届出をしてくれます。
ただし、下記の届出はお店側で届出をする必要があるケースがあります。

  • 防火管理者選任届
  • 防火対象物使用開始届
  • 消防計画

お店の所在地を管轄する消防署へ事前に確認しておきましょう。

最後に

麻雀バーは比較的新しい営業形態です。
そのため、知らずに法令違反をしてしまっていたということが往々にしてあります。
実際に開業する前にどのようなお店にするかということをあらためて考えましょう。
そうすればどのような許認可が必要かということがわかります。
また、専門家に事前に相談しておくことで様々なリスクが軽減できます。
もちろん弊所でもどのような営業形態の麻雀バーであっても対応可能です。
麻雀バーの開業をお考えの方は是非ご相談ください。

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