遊技場営業

風俗営業5号許可とは、遊技設備を設置してお客さんに遊技をさせる営業で主にゲームセンターのことですが、最近ではアミューズメントカジノなど、新しい営業形態も増えてきています。
射幸心をそそるおそれのある遊技設備を設置していることや、青少年がたむろして非行の温床となりやすいとして風俗5号営業許可として規制されています。
また、5号営業で許可を受けた場合は、重ねて特定遊興飲食店営業の許可は受けられません。

遊技設備とは

遊技場営業における遊技設備は風営法や解釈運用基準で規定されており、許可が必要な遊技設備と必要でない遊技設備があります。
時代と共に遊技設備の解釈が変わっており、近年の通達ではデジタルダーツとシミュレーションゴルフがこの規定から外れ、一定の条件の下、許可なく設置が可能となっています。

5号許可が必要となる遊技設備の例
  • パチンコ店で使用されていたパチンコ台やスロット機
  • ゲーム用のスロットやメダルゲーム
  • 格闘ゲームやシューティングゲームなどのビデオゲーム
  • ピンボール
  • クレーンゲーム
  • ルーレット台やトランプ台
5号許可が必要のない遊技設備の例
  • ドライブゲームやフライトシミュレーターなどの疑似体験ゲーム
  • モグラ叩き機
  • 占い機
  • パンチングマシーン
  • プリクラ

10%ルール

もう一つの例外としていわゆる10%ルールというものがあります。
客室の床面積に対して遊技設備の設置面積の割合が10%以下の場合は許可を必要としないという規定です。
主にデパートの一角にあるゲームセンターや大きなレストランなどでぽつんとあるゲームコーナーなどを想定した規定です。
ただし、遊技設置面積の計算方法など細かいルールもあるので10%ルールの適用をお考えでしたら一度ご相談ください。

5号営業許可を受けるためには

アミューズメントカジノなどの場合は、ディーラーとの遊技が接待とみられる可能性がありますので、事前に管轄の警察署に相談しておいたほうがよいでしょう。
また、店内で飲食を提供する場合は別途、飲食店営業許可も必要となります。
その上で、風俗営業5号許可を受けるためにはまず、次の3つの要件をクリアする必要があります。

人的要件

こんな人や法人の役員は許可を受けられませんという要件です。

5号営業許可を受けれない人
  • 破産者
  • 過去に犯罪を犯してしまって刑の執行が終わってから5年が経過していない者
  • 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれのある者
  • アルコールや薬物常習者
  • 心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者
  • 風俗営業許可を取り消されて5年を経過していない者
  • 未成年(相続の場合は別途規定あり)

この規定は申請者本人、法人の役員全員、管理者に適用されます。
他人に許可を取得させると名義貸しととなり、風営法では最も重い量刑である2年以下の懲役若しくは200万以下の罰金または併科となります。

場所的要件

ゲームセンターなどが学校や病院の隣にあったら青少年の健全な育成や善良な風俗環境の保持ができません。そのため、営業できる地域が制限されています。具体的には各都道府県の条例に委任されていますのでここでは東京都の例になります。

用途地域制限

用途地域とは、計画的に市街地を形成するために用途に応じて13の地域に分けられたエリアです。

東京都で5号営業が禁止されている地域
  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第二種中高層住居専用地域
  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域 ※
  • 準住居地域 ※
  • 田園住居地域

※繁華街と隣接しているなどで例外規定があります

保全対象施設

保全対象施設とは学校や病院などの施設で各都道府県の条例で指定されています。
清浄な風俗環境の保持に対して影響が大きいので保全対象施設までの距離が制限されます。

東京都の風俗営業5号許可における保全対象施設からの距離

例外として東京都では公安委員会が告示する地域として保全対象施設の距離に関係なく許可が受けられる区域もあります。

構造的要件

遊技場の構造にも国家公安委員会規則で様々な制約が定められていますので簡単にまとめます。

5号営業許可の構造的要件
  • 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと
  • いかがわしい広告や設備を設けない
  • 客室の出入口に施錠の設備を設けない
  • 営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造または設備を有する
  • 各都道府県が制定する条例の基準以上の騒音が外部に漏れない
  • 遊技料金として紙幣を挿入することができる装置を有する遊技設備又は客に現金若しくは有価証券を提供するための装置を有する遊技設備を設けないこと

「遊技料金として紙幣を挿入することができる装置を有する遊技設備又は客に現金若しくは有価証券を提供するための装置を有する遊技設備」とは、わかりやすくいうとパチンコ店などにある紙幣専用の現金サンドのようなものです。紙幣が直接投入できてしまうとギャンブル性が上がり射幸心をそそるおそれがあるため、設置が制限されています。

入場制限

風俗営業の中で5号営業のみ、未成年の入場が認められています。(酒類を提供する飲食店などを兼ねている場合は不可となります)
もちろん無制限というわけではなく、入場時間や保護者の同伴の有無で制限されており、各都道府県の事情に応じて条例で定められています。
東京都の場合では16歳未満は保護者同伴であれば22時までの入場が認められています。
保護者同伴でなければ16歳未満は18時まで、22時以降は18歳未満の入場はできません。
アミューズメントカジノの場合は、酒類の提供があったり、カジノに近い形態ということで、独自に営業時間の制限を設ける場合もあります。

賞品の提供

風俗営業5号許可では遊技の結果に応じて賞品を提供することはできません。
遊技で獲得したメダルやチップなどを賞品と交換することはできません。
また、賞金付きトーナメントを開催すると、賭博にあたるケースもあるので注意が必要です。
賞品を提供してしまうと風営法違反となって100万以下の罰金若しくは1年以下の懲役また併科です。
しかし、クレーンゲームなどで一部認められているものもあります。詳しくはこちら

営業開始まで

東京都では申請書が受理されてから許可がおりるまでは55日間の標準処理期間が定められています。
申請書の作成には構造的要件を疎明する図面や設置する遊技機の仕様など煩雑なものとなります。
時間に余裕をもって計画することが必要となりますので専門家に依頼してしまうこともおすすめします。

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