麻雀の人気が以前と比較して盛り上がってきているようです。
麻雀といえばひと昔前の娯楽のイメージですが、若い世代にも浸透してきています。
Mリーグの存在や女流プロの活躍、オンラインゲームの普及なども要因ではないかと思います。
その他、3人打ち麻雀(三麻)も一般的になってきました。
また、少し方向性は違いますが麻雀バーも非常に人気があります。

そのため、雀荘を開業しようとするお問合せは以前に比べて増えています。
しかし、雀荘許可の承継問題や古いお店の改装など、問題が発生するケースも多くあります。
そこで雀荘を開業するためのポイントをまとめたいと思います。

雀荘を始めるには風俗営業許可の取得が必要

雀荘は射幸心をそそるおそれのある遊技を提供する営業です。
射幸心とは、何の苦労もせずに偶然の利益を願うものです。
そのため賭博行為といった犯罪行為に結び付きやすいため、風営法で規制されています。
最近では健康麻雀といった健全な遊技を推奨する動きもあります。
金銭を賭けることはないので風俗営業許可は必要ないのでは?と思えます。
しかし、現状の法律では、麻雀をさせて料金を取る場合はすべて風俗営業許可が必要です。
あくまで射幸心をそそるおそれのある遊技を提供する営業を規制するからです。

風俗営業4号許可

風営法では営業の種別に応じて風俗営業を1~5号営業に区別しています。
(性風俗関連特殊営業は別の規制を受けます)

風俗営業許可の種別

雀荘は射幸心をそそるおそれのある遊技場として上記の4号営業に該当します。
つまり、警察(公安委員会)から風俗営業4号許可を受ける必要があるということです。
風俗営業許可には譲渡という概念がないので誰かに許可を譲ることはできません。
(法人で許可を受けていれば事業譲渡によって許可を承継する手段はあります)
また、個人許可から法人許可に切り替える場合でも個人許可を返納して新規で許可を受ける必要があります。

雀荘を始めるための規制

雀荘で風俗営業許可を受けるには風営法による厳しい規制の対象となります。
まずは下記の3つの要件を確認しなければなりません。

場所的要件

通常、雀荘を始める場合はお店を賃貸することになります。
場所が決まらなければ雀荘は始めようがありません。
しかし、風営法では一定の場所で風俗営業を行うことが禁止されています。

まずは下記の規制に抵触しないかの調査を行わなければなりません。
また、基準に合致するテナントであっても所有者からの承諾が必要です。(賃貸の場合)
具体的な規制は各都道府県の条例によって決められます。
東京都の条例では下記のように規制されています。

東京都で雀荘の営業ができない用途地域
  • 第一種、二種低層住居専用地域
  • 第一種、二種中高層住居専用地域
  • 第一種、二種住居地域
  • 準住居地域(近隣商業地域か商業地域に隣接していて当該地域から20m以内なら可)

用途地域とは土地の用途に応じて制限している地域で、自治体の窓口やインターネットで確認が可能です。
さらに用途地域に応じ、保全対象施設と呼ばれる施設の近くでは営業ができません。
保全対象施設の指定と距離制限は各都道府県の条例で規制されます。

東京都では下記の通りです。
学校や保育所など風俗営業を行う施設が近くにあると悪影響がでるおそれがあるため、一定の距離を置く必要があります。

東京都の場所的規制

人的要件

人的要件とは、雀荘の営業を行ってはいけない人の要件を定めたものです。
(法人の場合は役員全員)

雀荘の営業ができない人(風営法第4条1項)
  • 破産者
  • 過去に犯罪を犯してしまって刑の執行が終わってから5年が経過していない者
  • 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれのある者
  • アルコールや薬物常習者
  • 心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者
  • 風俗営業許可を取り消されて5年を経過していない者
  • 未成年(相続の場合は別途規定あり)

構造要件

雀荘の構造に関しても規制対象です。
お店の構造や店内の設備に関して下記の規制があります。

雀荘の構造要件(風営法施行規則第7条)
  • 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けない(概ね高さ1m以内)
  • 善良の風俗又は清浄な風俗環境を妨げるおそれのある写真、広告物、装飾その他設備を設けない
  • 客室の出入口に施錠設備を設けない (営業所外に通じる出入口はOK)
  • 営業所内の照度が10ルクス以下とならない構造又は設備を有する
  • 騒音又は振動の数値が条例で定める数値に満たない構造又は設備を有する

注意点として、最近は個室のある雀荘が増えています。
雀荘はキャバクラやホストクラブなどと違い、客室面積の制限はありません。
しかし、個室に施錠施設を設けることはできません。
また、個室にドアを設ける場合は、内部が見通せる構造にするように指導されることもあります。

風俗営業許可申請のやり方

風俗営業許可申請は、お店の所在地を管轄する警察署に対して行います。
申請をしてから警察による実査(検査)を経て、許可となるまでの目安は55日間です。(東京都)
その間は営業ができませんので家賃などの経費がかかることに注意が必要です。

申請に必要な書類

雀荘の風俗営業許可申請に必要な書類
  • 許可申請書(別記様式第1号)
  • 営業の方法を記載した書類(別記様式第2号)
  • 営業所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書・賃貸契約書・建物に係る登記事項証明書等)
  • 営業所の平面図(求積、照明、設備図)及び営業所の周囲の略図
  • 住民票(本籍記載のもの。外国人にあっては国籍記載のもの)の写し
    管理者及び法人の場合は役員全員
  • 定款及び登記事項証明書(法人の場合)
  • 市区町村の発行する身分証明書
    管理者及び法人の場合は役員全員
  • 誓約書(申請者用、管理者用)
  • 管理者の写真2枚(申請前6月以内に撮影した無帽、正面、上三分身、無背景の縦3.0センチメートル、横2.4センチメートルで裏面に氏名及び撮影年月日を記入したもの)

遊技料金

雀荘の遊技料金は風営法で上限が決まっています。

雀荘の遊技料金の上限(全自動卓)
客一人当たりの時間を基礎とする場合600円/1時間 (全自動以外は500円)
麻雀台1台につき時間を基礎とする場合2,400円/1時間 (全自動以外は2,000円)
風俗営業等の規制及び業務の適正等に関する法律施行規則第36条1項

遊技料金とは別にトップ賞など、ご祝儀料金を設定することがあります。

営業時間

営業時間に関しても風営法で規制されています。
原則として深夜(午前0時~6時)は営業することができません。
雀荘は深夜まで営業しているイメージがありますが、法的には違法です。
ただし、東京都の場合は条例で年末年始(12/7~1/10)と特定地域では午前1時まで営業可能です。

同じ4号営業であるパチンコ店は上記の例外はありません。
東京都ではパチンコ店の営業時間は午前10時~午後11時までとされています。
雀荘と混同しないようにしましょう。

賞品の提供

雀荘では「遊技の結果に応じて賞品を提供する」ことはできません。
例えば、大会を開催して順位に応じて賞品は提供すれば違法となります。
また、参加費を徴収して賞金を争うような大会であれば賭博行為に該当する可能性もあります。

飲食店営業許可

雀荘ではフリードリンクや飲食ができることは一般的です。
しかし、「調理」をして飲食物を提供する場合は保健所の許可が必要となります。
カップラーメンにお湯を注いだり、缶ビールをコップに注いで提供することも「調理」に該当します。
ただし、カップラーメンを提供してもお客さんにお湯を注いでもらえば飲食店営業許可は必要ありません。
ドリンクも缶やペットボトルのままであれば提供することは可能です。
また、フードデリバリーなどを頼んで提供することも問題ありません。

飲食店営業許可を受ける場合は、お店の所在地を管轄する保健所に申請となります。
風俗営業許可のように厳しい審査はありませんが、人的要件と設備要件に気を付ける必要があります。

飲食店営業許可を受ける場合はそれなりのスペースと設備が必要です。
お店のコンセプトや広さに応じて検討しましょう。

最後に

雀荘を始める場合は開業資金として多額の費用が発生します。
麻雀台のセットやお店の家賃、人件費など決して安いものではありません。
さらに許可受けるまでは営業することができません。
少しでも早く開業をしたい方は専門家に申請を依頼することはメリットがあります。
風俗営業許可は面倒な図面が必要であったり、警察との相談が必須となります。
慣れない業務は専門家に任せ、やるべきことに集中することで成功の確率は上がります。
弊所は開業まで最短ルートで許可を取得することに注力しています。
雀荘開業をお考えの方は是非ご相談ください。

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