2022年4月1日より、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられます。
風営ビジネスにおいて、未成年の扱いは非常に気を遣うポイントです。今回の改正によって業界にどんな影響があり、何に気を付ける必要があるのかをまとめてみました。

風営法と未成年

風営法では、未成年ではなく18歳未満に対する規制が多いので、実はそれほど変更点があるわけではありません。
もともと18歳未満の人を客として立ち入らせること(5号営業を除く)、従業員として客に接待をさせることは禁止されています。飲酒、喫煙が今回の成年年齢引き下げの対象となっていないため、20歳未満の者にお酒やたばこを提供してはいけないことも変わりありません。
よくトラブルになる高校生に対する扱いですが、高校生でも18歳以上の人はいます。風営法では入店や働くことは可能ですが、学校の校則や都道府県の条例、お店のハウスルールなどで禁止されていることがほとんどです。違反にならないために、それらの法令を確認することと年齢確認は特に気を使って行いましょう。

申請者と管理者

風営法において未成年という文言が出てくる条文は2つです。
人的要件を定める第4条1項10号「営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者」、
管理者の要件を定める第24条2項1号「未成年者」という2つの条項で未成年の記載があります。
現状では風営法の改正の話は出ていませんが、運用の解釈では、18歳では申請人にも管理者にもなれないようですので、こちらについても変更はありません。

トラブルが増加する?

以上のように風営法上においてはそれほど大きな影響はなさそうですが、「未成年者取消権」の年齢も引き下げとなることにより、風俗営業に関するトラブルが増加する可能性があります。関連して最近ではAV新法でも話題になっています。
例えば、親の同意なくクレジットカードを持つことができるようになったため、20歳以上に比べると18、19歳は社会経験の少なさもあり、周囲の影響で風俗営業に嵌まってしまって多額の借金を負ってしまう可能性が高いといえます。以前であれば、法定代理人の同意なき未成年者の法律行為は取り消せるとして借金を取り消せる可能性がありましたが、今後は18歳以上の法律行為は完全に有効として取り消せないことになります。
お店としては疑わしいと感じたらしっかりと年齢確認を行い、20歳以下の入場を防いでこのようなトラブルを回避すべきでしょう。

最後に

日本の成人年齢が20歳と制定されたのは140年以上前の話ですし、選挙権はすでに18歳以上に変わっています。世界的にみても18歳成人が主流であり、日本でも18歳を成年とするのは妥当だと思います。
しかし、この機に乗じて18・19歳成人を騙そうとしている悪徳業者(風俗業界に限らず)がいることも事実です。
風俗業界には世間的にダークなイメージがつきまといます。だからこそ法令遵守の健全営業を行っていきましょう。