広島県で雀荘とお客さんが賭博行為で逮捕されました。普通に雀荘で遊んだだけで逮捕されてしまっていてはほとんどの人が賭博行為で逮捕されてしまい、雀荘は営業が成り立ちません。
いったいどんな場合に雀荘が摘発されてるのか?、お客としてプレイしていた場合にお客さんも賭博罪に問われてしまう可能性があるのでしょうか。

風俗営業4号許可

雀荘は営業するためには風俗営業4号許可を取得する必要があります。風俗営業4号許可は「射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」を規制しています。賭博行為が行われないように法律で規制がかけられています。

しかし、実態としては雀荘で金銭を賭けないことはほとんでないでしょう。日本では賭博が禁止されているので厳格に法律を適用すれば1円でも賭ければ違法ということになりますが、雀荘で普通に遊んでいて逮捕されたということはほとんど聞きません。
同じ4号営業でパチンコがありますが、こちらはいわゆる「3店方式」という運用があり、賭博にあたらないという判例や政府答弁があります。3店方式に関しては古物営業法との関係、反社会的勢力との断絶など様々な要素が絡むのであらためて取り上げたいと思います。

摘発の危険がある場合

それではどういったときに摘発されるおそれがあるのでしょうか。過去の例からして以下のパターンが多いのではないかと思います。警察もすべてのケースで動いていたらきりがありませんし、かえって世間の反感を買ってしまうというということもあります。

レートが高いと違法?

まず単純にレート(掛け金の比率)が安ければ違法にならないのでしょうか。
前述の通り、日本では1円でも賭ければ賭博行為が成立して違法ということになります。以前に江本孟紀議員が国会で賭け麻雀に対する質問をして当時の後藤田法務大臣が社交儀礼の範囲内であれば賭博にあたらないという趣旨の答弁をして話題になったことがありました。
サラリーマンや学生などが打つ際の通常のレートは一般的に「テンピン」と呼ばれる1000点を100円で計算するレートまでが多く、この程度であれば社交儀礼と思ってよいのではないでしょうか。ちなみに以前話題になった元検事長のレートもテンピンだったそうです。
具体的にどのレートから社交儀礼を超えるのかという基準は明らかではありませんが、上記程度の一般的なレートを超えるようであれば摘発の可能性はかなり上がるといってよいでしょう。

反社会勢力との関わり

風営法は歴史的に反社会的勢力との関係の断絶を目的とされてきた経緯があります。反社会勢力が絡んで資金源にしていたりすると警察は積極的に動きます。その際、レートは関係ありませんが高いレートが設定されることが多いように感じます。今回の広島の件も押収された備品を見る限り、なかなかの高レートだったようなので反社会的勢力との関わりが疑われたのかもしれません。自分自身が反社会的勢力とは関係なくてもそのうような方と場を囲っていると自分も賭博罪で検挙される可能性があります。お店に対しても賭博場を開設したとして賭博開帳図利罪に問われてしまいます。

公然性

公然性とは大衆の面前でおおっぴらに行うことです。せっかくお目こぼしをしているのだから、こっそりと遊びなさいということです。公然と賭け麻雀が行われてしまうと風紀が乱れますし、そもそも違法なわけですから摘発しろという声をおさえることが難しくなります。ユーチューブなどの配信などもってのほかというわけです。雀荘でも直接的な表現でレートを明示することはなく、風速0.5やサイコロの表示などのぼかした表現が使われています。
その他、公然性というわけではありませんが、知名度のあるスポーツ選手であったり、裁く側である検事長という立場の人などは社会への影響を考えて厳しく判断されることもあるようです。
こういった公然性が守られない場合は、例え低いレートであっても摘発される可能性があると考えておいたほうがよいでしょう。

遊技料金を確認しよう

雀荘の遊技料金は国家公安委員会規則で1時間あたりの遊技料金の上限が定められています。
①客1一人あたりに換算した場合 600円/人
②麻雀台1台あたりに換算した場合 2,400円/台
(税抜き、全自動卓)
概ね、①はフリー、②はセットの場合を想定しています。つまり、この上限を超える遊技料金だった場合は法令に違反していますのでお店が摘発される可能性は高まります。運悪く警察が立ち入りの際に遊んでいた場合はお客も賭博行為に問われる可能性があります。

その他の違反

賭博行為として摘発するには上記のように裁量の範囲が大きいため、簡単にできるものではありません。
しかし、風営法で定められている従業者名簿の不備や営業時間を守らないといった明確な違反があった場合は話が変わってきます。せっかく大目にみてもらっているのにそういう基本的なところで違反してしまい、さらに賭博行為で摘発となってしまっては目も当てられません。
やはり、まずは基本的なルールを守った営業を普段から行っていることが一番大事です。
また、営業時間等の違反で指示処分を受けていた場合に、改善がないと大きな処分に繋がります。
直ちに営業停止にならないからといって放置は厳禁です。

まとめ

以上のように利用者も雀荘側も上記の内容を意識して節度を持って遊んでいれば直ちに逮捕される可能性はほぼありません。
しかし、1円でも賭ければ賭博行為に当たるという自覚を持っておくことと、雀荘側も過度に射幸心を煽らないような営業を行う必要があります。一般的に賭博行為と反社会勢力は密接に関係していることが多いので、そういった気配があったら近寄らないといったリスクヘッジが大切です。
また、近年は麻雀界でもMリーグの発足など、知的スポーツというイメージ作りをしていこうとする動きもあります。
その他、麻雀バーという業態も増えてきています。

風営法は時代に合わせて改正されていく法律ですのでビリヤードやダンスといった過去には規制されていたものが規制緩和になることもあります。麻雀業界も新しいユーザー層を獲得してますます発展していくことを切に望んでいます。

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