アミューズメントカジノやポーカーバーといったお店が人気です。
このようなお店は深夜(午前0時~午前6時)の時間帯に営業ができるのでしょうか。
インターネットやSNSを見ていると深夜営業を宣伝しているお店もちらほら見ます。
本当に深夜営業は可能なのでしょうか。
法律の規定や運用、どのような申請が必要かを解説します。
アミューズメントカジノは風俗営業
アミューズメントカジノは、ポーカー台やルーレット台といった遊技設備を設置することが通常です。
(国家公安委員会規則で定める遊技設備)
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則第3条
第三条 法第二条第一項第五号の国家公安委員会規則で定める遊技設備は、次に掲げるとおりとする。
一スロットマシンその他遊技の結果がメダルその他これに類する物の数量により表示される構造を有する遊技設備
二テレビゲーム機(勝敗を争うことを目的とする遊技をさせる機能を有するもの又は遊技の結果が数字、文字その他の記号によりブラウン管、液晶等の表示装置上に表示される機能を有するものに限るものとし、射幸心をそそるおそれがある遊技の用に供されないことが明らかであるものを除く。)
三フリッパーゲーム機
四前三号に掲げるもののほか、遊技の結果が数字、文字その他の記号又は物品により表示される遊技の用に供する遊技設備(人の身体の力を表示する遊技の用に供するものその他射幸心をそそるおそれがある遊技の用に供されないことが明らかであるものを除く。)
五ルーレット台、トランプ及びトランプ台その他ルーレット遊技又はトランプ遊技に類する遊技の用に供する遊技設
ポーカー台やルーレット台は風営法で定められた遊技設備になります。
そのため、風俗営業5号許可を受ける必要があります。
また、飲食を提供するには保健所の許可も必要となります。
風俗営業許可を受けた場合、0時以降の営業は禁止されます。(一部地域は1時)
つまり、アミューズメントカジノやポーカーバーは、深夜に営業はできません。
もし、深夜にアミューズメントカジノやポーカーバーとして営業していると法令違反となります。
深夜営業ができる許認可との関係
風俗営業が深夜にできないことは前述の通りです。
しかし、法的には風俗営業許可と深夜に営業ができる許認可を同時に申請することは可能です。
解釈運用基準では、条件をクリアすれば営業の継続を認めるとしています。
風俗営業終業後に引き続き同一の営業所を利用して特定遊興飲食店営業又は飲食店営業を営むことは、時間外営業等の脱法行為を誘発するおそれがあるので、次のような措置が講じられ、営業の継続性を完全に絶たれる場合に限り、特定遊興飲食店営業又は飲食店営業としての継続を認めるものとする。
解釈運用基準第17-2
もちろん、風俗営業を深夜に行ことができるということではありません。
0時までは風俗営業を行い、0時以降はそれ以外の営業を行うといった二毛作営業が可能という解釈です。
キャバクラやホストクラブ
キャバクラやホストクラブなどは、接待を行うことについて風俗営業許可を要します。
そのため、0時以降は接待を行わなければ二毛作営業は可能です。
しかし、現実の申請において警察が申請を受理する可能性はほとんどありません。
なぜなら、下記の条件をクリアする運営を求められるからです。
接待飲食等営業については、全ての客を帰らせるとともに、接客従業者も帰らせ(客としても残らせないものに限る。)、別会計にして営業すること。
解釈運用基準第17ー2①
例えば、0時以降はお客さんも従業員も帰らせて、一度お店を閉めてあらためて営業しますといったところで警察に対して客観的に証明することは極めて困難です。
また、接待を行うお店だったのに0時以降はただの飲食店ですといっても信憑性がありません。
接待行為の定義は、ただでさえ曖昧です。
警察としても深夜に接待が行われる可能性を否定できないので申請を認めることを非常にためらいます。
アミューズメントカジノの場合
対してアミューズメントカジノは、遊技設備を設置して遊技をさせることについて風俗営業許可を要する営業です。
つまり、0時以降に遊技をさせていなければ二毛作営業が可能です。
解釈運用基準によると、下記の条件をクリアすれば深夜の営業が認められるとしています。
ゲームセンター等については、遊技設備設置部分を区画して当該部分を閉鎖して立ち入れないこととすること又は遊技設備を撤去する(遊技設備の元の電源を切り、かつ、遊技設備に覆いを掛けるなど撤去に準じる措置を講じることでも差し支えない。)ことによって営業すること。
解釈運用基準第17-2②
例えば0時以降は遊技設備を区画する、ポーカー台に蓋をしてテーブルとして使用するといった措置が考えられます。
接待行為と違い、遊技をさせないことについて可視化が可能です。
この場合、客観的な証明がしやすいため、認められるケースがあります。
ただし、遊技をさせないための措置の方法、運用などを明確に定め、営業の継続性が絶たれていることを詳細にに説明しなければなりません。
そのため、事前に警察への相談、必要書類の確認などを入念に行う必要があります。
最後に
大原則として、風俗営業を深夜に行うことはできません。
しかし、やり方によってはアミューズメントカジノやポーカーバーなどは、深夜に他の営業することは十分に可能です。
ただし、警察(公安委員会)から適切な手続きと法令を遵守することを厳しく求められます。
風営法などの関係法令をしっかり理解した上で相談を行わないと警察も取り合ってくれません。
都内の一等地などは家賃も高額なため、少しでも営業時間を確保することには意味があります。
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