令和4年3月1日の警察庁からの通達で、新しい解釈運用基準が発出されました。
その中で、クレーンゲームの賞品の上限額は今まで800円までとされていましたが、1,000円までであれば「遊技の結果に応じて賞品を提供する」ことには当たらないとすると改定されました。
約20年ぶりの改定ということもあり、業界にどのような影響が出るのか注視していきたいと思います。
ゲームセンターでは賞品を提供できない
大前提としてゲームセンターは、冒頭で書いたように遊技の結果に応じて賞品を提供することができません。
ただしクレーンゲームだけは例外として認められており、これが今回の改定の対象になっています。
ちなみに、遊技の結果に応じて賞品を提供できる営業は4号営業のパチンコ店のみです。クレーンゲームの場合はあくまでクレーンを操作する遊技が目的で、おまけとして景品が貰える、という解釈での運用になっています。
景品価格の上限が1,000円になることの影響
業界のガイドラインの改正等はこれからでしょうから、すぐに影響が出ることはないと思いますが、ここでは景品額が上がることによる影響を考えてみようと思います。
景品のクオリティが上がる
800円から1,000円と、200円高くなる分、シンプルに考えれば今までよりも景品のクオリティが上がるでしょう。
より魅力的で人気の景品が増えれば、クレーンゲームコーナーはもちろん、ゲームセンター自体も盛り上がるのではと思います。
景品が取りづらくなる
ゲームセンター側としては、仕入れ金額が上がった景品を今までと同じように提供していては当然利益が減ってしまうので、景品が高くなるほど取得(お客さんが景品を入手する)難易度も高く設定することになるでしょう。
一般的に景品金額の4倍程度が取得の目安といわれていますので、単純計算すればお客さんが800円の景品を取得するのに3,200円かかっていたのが、1,000円の景品では4,000円かかることなります。もちろんお客さんが欲しい景品を選び予算に応じて遊ぶものなので問題はないのですが、今までよりも取りづらくなることで、不満に感じるお客さんが増えるかもしれません。
ギャンブル性が上がる
前項でも書きましたが、景品の上限金額が上がることにより、お客さんが取得するための費用も上がっていくでしょう。景品のクオリティが上がればどうしても欲しくなり、つい熱くなってしまうお客さんも現れるだろうと思います。
景品を取りたいがために借金をして、ついには破産……ということまではないだろうと思いますが、多少なりともギャンブル性が上がる可能性はあり、それは客層の悪化に繋がるかもしれません。もし何か事件が起これば、新たな規制対象として警察が動くことも考えられます。
まとめ
クレーンゲームで提供される景品は、2001年の通達で800円になり、今回の通達で約20年ぶりに1,000円に値上げされました。
私が中学生の頃、UFOキャッチャーでアンパン○○のぬいぐるみが取れた時のうれしさはいまだに覚えています。クレーンゲームでしか手に入らない景品は、限定品に弱いといわれがちな日本人の心をくすぐるものがありますね。
しかし、そうした心理につけこんで詐欺まがいの設定を行っていたゲームセンターが摘発された事例も多数あるのです。
弊所は風俗営業が健全に発展するようサポートを行っています。今回の値上げによって良い方向に盛り上がり、健全な娯楽としてのゲームセンターが増えていくことを願っています。
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