風俗営業
風俗営業とは「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(当サイトでは以下、風営法といいます)第二条1項の1~5号で規定されている営業のことをいいます。
接待を伴う飲食店は風営法二条1項1号で規定されているのでキャバクラやホストクラブなどのことを1号営業といいます。
よく混同されますが、性的サービスを提供する営業は性風俗特殊営業といって風俗営業とは別の規制を受けています。
以下の風俗営業に該当する場合は公安委員会(警察)の許可を受ける必要があります。
風俗営業1号許可 接待を伴う飲食店
キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
風営法第二条1項1号
接待行為を伴う飲食店を営業する場合に必要になる許可です。
具体的にはキャバクラやラウンジ、ホストクラブなどが該当します。
警察は営業の実態で1号許可が必要かを判断しています。接待行為があると認められればガールズバーでもスナックでも風俗営業1号許可が必要となります。
風俗営業2号許可 低照度飲食店
喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を十ルクス以下として営むもの(前号に該当する営業として営むものを除く。)
風営法第二条1項2号
店内の照度を10ルクス以下にして飲食店を営む場合に必要になる許可です。
具体的にはカップル喫茶などが該当しますが、令和2年度の統計によると許可数が全国で38店舗しかありません。
低照度飲食店として営業するというよりは照度が10ルクス以下にならないよう注意しましょう。
風俗営業3号許可 区画席飲食店
喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの
風営法第二条1項3号
5㎡以下の客席を設けて飲食店を営む場合に必要になる許可です。
一部のネットカフェや個室居酒屋などが該当しますが、令和2年度の統計によると許可数が全国で1店舗しかありません。
こちらも要件に該当しないよう客席の面積に注意しましょう。
風俗営業4号許可 射幸心をそそるおそれのある遊技場
まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
風営法第二条1項4号
ギャンブル性のある遊技設備を設けて営業する場合に必要になる許可です。
具体的には雀荘やパチンコ店です。その他、数は少ないのですが射的、輪投げなども該当します。
この中でも遊技の結果に応じて賞品を提供できる営業はパチンコ店のみです。
風俗営業5号許可 遊技場
スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)
風営法第二条1項5号
前述の4号営業以外で公安委員会が定める遊技設備を設けて営業する場合に必要になる許可です。
具体的にはゲームセンターですが、最近ではアミューズメントカジノといった形態でも必要になることがあります。
4号営業との決定的な違いは遊技の結果に応じて賞品を提供することができない点です。
UFOキャッチャーなどのプライズゲームは解釈運用基準において賞品の提供にはあたらないとされています。
飲食店営業
飲食店を開業する際には飲食店営業許可を保健所から受ける必要があります。
キャバクラでもホストクラブでも飲食を提供すると思いますので飲食店営業許可は必要です。
さらに深夜に酒類を提供したり遊興をさせたいときは別途、公安委員会に届出か許可が必要になります。
深夜酒類提供飲食店
午前0時以降も酒類を提供したい場合に必要になる届出です。
風俗営業ではありませんが風営法に規定があり、届出先は公安委員会になります。
具体的にはガールズバーやスナックなどが該当しますが接待行為はできません。
深夜に酒類を提供している全ての飲食店が対象ではなく、主に酒類の提供をメインとしている飲食店が対象です。ラーメン店や牛丼店などは主食の提供を主としているので酒類を提供していても対象外となります。
特定遊興飲食店
午前0時以降も営業して酒類を提供し、お客さんに遊興をさせたい場合に必要になる許可です。
遊興に関してはこちら
具体的にはナイトクラブやショーパブなどが該当しますが、営業可能な地域は限られており、比較的厳しい構造的要件が定められています。
風俗営業ではありませんが深夜酒類提供飲食店と同様に風営法に規定があり、公安委員会の許可を受ける必要があります。
風俗営業許可までの流れ
- お問い合わせ
営業所の予定地やどんな営業を行いたいか確認します。
- お打合せ
ざっくりとした営業所の構造、人的要件を確認します。
申請にかかる費用をご提示いたします。
- 業務着手
この段階で着手金をいただいて保全対象施設の調査を行います。
調査の結果、問題なければ正式に委託契約を締結します。
- 店内の計測・申請書類作成
登記事項証明書や身分証明書などの申請に必要な書類を集めます
店舗を計測して申請書類を作成します - 許可申請
飲食店営業許可からの場合は保健所に申請(1週間から10日)
所轄の警察署へ風俗営業許可申請 - 実査(風俗営業許可申請から1~2週間後)
浄化協会や所轄の生活安全課による店舗の調査があります。
メニュー表、18歳未満立入禁止のプレート、20歳未満酒類提供禁止の表示、名簿が必要です。 - 許可(東京都では風俗営業許可申請から土日祝を除く55日が目安)
深夜酒類提供飲食店の営業開始までの流れ
風俗営業と比較して要件が緩いことと、実査もないので営業開始までの期間はかなり短いものとなります。
- お問い合わせ
用途地域を確認します(住居系地域では届出は受理されません)
- お打ち合わせ
店舗の構造や広さを確認して、届出にかかる費用をご提示します
- 業務着手
賃貸借契約書などの申請に必要な書類を集めます
店舗を計測して申請書類を作成します - 申請
飲食店営業許可からの場合は保健所に許可申請(1週間から10日)
所轄の警察署へ深夜酒類提供飲食店営業の届出 - 営業開始(届出が受理されて10日後から営業可能)
風俗営業許可Q&A
よくある質問を集めてみましたのでご依頼前にご確認ください
- Q自力で申請は可能でしょうか
- A
警察と相談しながら時間をかければ可能です。
ただし、膨大な時間と手間がかかることが多いので他に注力することがあれば専門家に依頼すれば早く確実に許可取得ができます。
- Q外国人でも許可は取れますか
- A
取得は可能ですが、日本に滞在している場合は在留資格に制限があります。
具体的には「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」「経営管理」「永住者」の在留資格を有している必要があります。
- Q不動産屋が風俗営業可能といっているので物件を借りても大丈夫ですか?
- A
風営法に精通した不動産屋なら信用してよいと思いますが、弊所では徹底的に調査いたします。
- Q飲食店営業許可が下りる前に申請できますか
- A
原則的には飲食店営業許可証を添付して申請します。
保健所から申請証明を発行してもらえば先に申請可能なケースもあります。
- Q店内の内装工事がまだですが申請できますか
- A
申請自体は可能な場合もあります。ただし、実査までに営業できる状態になっていないと審査が行えないので許可は下りません。
- QVIPルームや個室を作りたいのですが
- A
一定の基準を満たしていれば可能です。
施錠設備や見通しの問題があるので警察に事前相談が必要です。
- Q営業が開始できるまでどれくらいかかりますか
- A
風俗営業では東京都の場合は申請が受理されてから土日祝を除いて55日後が目安です。
深夜酒類提供飲食店の場合は届出から10日後に営業可能です。
- Qガールズバーなので深夜まで営業しても大丈夫でしょうか
- A
深夜における酒類提供飲食店営業の届出をしていれば可能です。
ただし、接待行為を行うことはできません。
- Q店内のレイアウトや設備を変更したいけど勝手にやって大丈夫ですか
- A
変更する内容によって事前に承認を得るか事後報告が必要です。
- Q風俗営業許可を譲りたいのですが…
- A
個人で許可を取得している場合は譲渡できません。(相続は可)
法人で取得している場合は事前に承認を得ることによって可能なケースがありますのでご相談ください。