ここのところ、『コンセプトカフェ』(以下コンカフェ)が摘発されたというニュースが相次いでいます。
風営法違反だけではなく、児童福祉法や労働基準法に加え、わいせつな行為をしたということで条例に違反したケースまであります。
コンカフェを適切に開始・営業するにはどうすればよいのでしょうか。

コンセプトカフェとは?

まずコンカフェの定義ですが、ゲームやアニメ、パラレルワールドなどといった特定の世界観をコンセプトにコスプレをしたキャストがいるカフェのことです。
(以前からある『メイドカフェ』もこのコンカフェに含まれますが、20年近い歴史があり、すでにメイドカフェという一つのジャンルができあがっています。)
一口にコンカフェと括っても、カフェスタイルで昼間から営業しているお店や、バースタイルで夜の営業を重視するお店などさまざまです。後者についてはその世界観の提供だけでなく、キャバクラなどの接待を伴う飲食店に近い営業をしている店舗が多い印象です。
営業スタイルによって必要な許可や届出が異なりますので、まずはご自分のお店がどのようなコンセプトの営業を行うかを決める必要があります。

カフェスタイルのコンカフェ

営業時間はおもに日中で、お店のコンセプトを目的に来店するお客さんが多い印象です。
食事のメニューも多く、純粋にお店の世界観と飲食を楽しむことができます。
通常の飲食店として保健所の飲食店営業許可だけで営業をしているお店がほとんどですが、深夜に酒類の提供を行いたい場合は「深夜酒類提供飲食店営業」の届出も必要になります。

バースタイルのコンカフェ

夕方から深夜まで営業していて、飲食については食事よりも酒類の提供をメインとしています。
キャストを指名できたり高級な酒類を置いたりしているお店もあり、カフェスタイルに比べてキャストとの交流がメインとなっているお店が多い印象です。
深夜まで営業してお酒を提供しているお店は、飲食店営業許可に加えて「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要になります。
ただし、深夜酒類提供飲食店営業のみでは接待行為ができません。バースタイルのコンカフェはキャストとの距離感が近くなることが多いので、接待行為に該当する可能性があります。
接待行為が行われているなら「風俗営業1号許可」を受けましょう。

メンズコンカフェ

女性客をターゲットにしたコンカフェで、キャストがおもに男性なのでメンズコンカフェと呼ばれています。
業態としては上記のコンカフェと同様、執事や幽霊などといったコンセプトを持つカフェやバーですが、地下アイドルやモデルの卵などが在籍していて店内でライブを行っていることもあります。いわゆる”推し活”で来店するお客さんが多い印象です。チェキやドリンクの注文に対してさまざまな特典をつけているお店もあります。
キャスト同士で人気を競うというよりはアットホームな雰囲気のお店が多く、料金も高すぎないため、ホストクラブに行けないお客さんの受け皿となっている側面もあります。しかしホストクラブの”売掛”のようなシステムを持つお店があったり、未成年のお客さんが犯罪に巻き込まれたりと、負の側面も目立ってきています。
メンズコンカフェもお店の営業実態にあわせて「深夜酒類提供飲食店営業」の届出や「風俗営業1号許可」を受ける必要があります。

高校生でも働ける?

未成年に対する摘発事例の多いコンカフェですが、高校生でも働くことはできます。
ただし、あくまで飲食を目的とした営業を行っている店舗のみです。接客をメインとして風俗営業1号許可を受けているようなお店では18歳未満は働くことができません(18歳だとしても高校生であればお店が風俗営業に該当する場合は採用する店舗はほぼありません)。
また、飲食を目的としたコンカフェであっても、労働基準法により18歳未満は22時以降に働くことはできません。
お店の営業形態にもよりますが、キャストの年齢確認はパスポートや顔写真付きの身分証明書などで確実に行いましょう。
風俗営業許可を受けているのに18歳未満の者を雇用したり、風俗営業許可を受けていないのに18歳未満の者に接待行為をさせたり、客として来店させてしまうと非常に重い罰則が待っています。

摘発されないためには

最近の風俗関連のニュースで最も多いのが風営法における無許可営業です。
風俗営業1号許可を受けていないのに接待行為を行ったため、無許可営業として摘発されています。
摘発された場合は風営法で最も重い罰則である、2年以下の懲役又は200万以下の罰金又は併科です。さらに5年間は新たに風俗営業許可を受けることができなくなります。
接待行為に関しては実態を見て判断されるので、隣に座って接客していないから大丈夫、ということはありません。キャストドリンクや指名制度、お店の構造など、総合的に判断されています。
コンカフェであろうとメンコンであろうと接待行為をするなら「風俗営業1号許可」、深夜まで営業してお酒を提供するのであれば接待行為を行わずに「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要です。
そのほか、未成年に関する摘発も増えています。中学生に店内で接待行為をさせたことによる児童福祉法違反や、未成年に対するわいせつ行為で東京都の条例違反に問われるというケースがあります。

最後に

以上のように、コンカフェにはいくつかの営業形態があります。
明確なコンセプトを持って健全に営業しているお店がほとんどですが、一部のお店の影響で悪いイメージが付きまとうことは業界にとってもマイナスです。
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