先日、とあるパチンコメーカーの展示会に行きました。
私がパチンコ業界にいたのは2007年までなのですが、その当時と比較すると、現在のパチンコの筐体(台の枠)の大型化は想像以上でした。大きくなったことによる見た目のインパクトや、迫力ある演出が素晴らしかったです。
ですが、どうもそのようなメリットだけではないようです。
筐体大型化の流れやスマートパチンコの導入など、風営法の規則も考慮しながらパチンコ業界の未来を考えてみたいと思います。

大型筐体のパチンコ台の登場

パチンコの筐体が大型化してきたのは2017年頃からだったと思います。
何かがヒットすると雨後の筍のように全体へ波及するのがこの業界の特徴です。大型筐体のパチンコがヒットしたことにより各メーカーが競うように大型筐体化が進み、五感で体感するド派手なギミックが搭載されていることが当然になっていきました。特に、各メーカーのキラーコンテンツと呼ばれる機種ではより顕著だったと思います。
いくらヒットしたとはいえ、派手であることがそこまでお客様に求められているのだろうか?という見方もあり、パチンコ業界団体からパチンコメーカーに対して一定の制限を希望する要望書が出されています。
それでも未だに歯止めがかかっていません。メーカーの立場が強いこの業界、らしいといえばらしいのですが…。

筐体大型化の弊害

大型筐体の良い面として、今までにない演出が楽しめるという点で、パチンコの可能性を広げていることは評価に値すると思います。例えると映画館の4DXスクリーンのような新しい感覚が味わえるのではないでしょうか。
その一方で、遊戯する側(お客さん)、ホール側、それぞれのデメリットもあるようです。
まず遊技する側からすると、筐体が大きすぎてデータランプが見えないことがあります。また、派手な演出で煽られるだけ煽られてハズレた…ときの精神的ショック。注目していた周囲からの視線もなかなかです。
そしてホール側はもっと切実です。一番大きいのが機械代の高騰です。私が業界にいた頃のパチンコ台は高くても1台30万円くらいでしたが、今は50万円以上もざらのようです。また、大型化・重量化によって機械の運送費も上がり、入替作業も従来に比べ時間も手間もかかるようになった。多方面で経費が増大しているのです。
そうでなくても遊技人口の減少やコロナ禍、業界内規則の変更などもあって色々と苦しいところに、経費の上昇など勘弁してほしいのが本音でしょう。経費が上がれば当然還元率も下がるので、お客さんにとっても良いことはありません。

風営法との関係

風営法では、客室に見通しを妨げる設備を設けることが禁止されています。
設備の高さは、解釈運用基準によれば概ね1m以内とされています。
そうなると昨今の大型筐体は風営法違反ではないか?と思えますが、パチンコ店の設備に関しては警察庁の通達で例外が定められています。

この中に「島設備」があり、パチンコ台は「島設備」の一部とされているため、風営法に抵触することはありません。ただしこの通達はパチンコ台が大型化する以前に出されたものなので、今後さらに行き過ぎてしまった場合、新たな規制が入る可能性は否定できません。

パチンコ業界の未来は

そんな筐体の大型化とは真逆の方向性ともいえる「スマートパチンコ」が、2023年1月の導入を予定されています。(「スマートパチスロ」は2022年11月導入予定)
スマートパチンコは封入式遊技機と呼ばれ、玉に一切触れることがなく遊技できるようになります。そのため、従来の玉循環システムのような設備が不要になります。スペックについても、現状の規則より緩和される可能性が高そうです。
設備が不要になって少ないスペースでも営業可能となれば、最近の〈店舗の大型化〉〈店舗数の減少〉という流れが変わっていくかもしれません。
ただし、スマートパチンコにはシステムの同時導入が必要ですし、また既存の設備との兼ね合いなど、新しいコストがかさむ可能性もあります。
それでも暗いニュースの多かったパチンコ業界において、かつてのような活気を取り戻す起爆剤になればと期待する声もあります。
弊所でもスマパチ・スマスロに注視し、業界の最新の動向を反映した営業を行っていきたいと考えています。