風俗営業許可を受ける際には、構造的要件の一つとして「見通しを妨げる設備を設置してはならない」という規定があります。客室内で見通しを妨げる設備があると、いかがわしいことが起きやすいのではないかという理由からくる(少し時代遅れともいえる)規定です。
「見通しを妨げる設備」とは何なのかがわかりづらかったり、管轄によって解釈が違う場合があったりと、許可を受ける際に問題になるケースが多々あります。
このように構造的要件の中でも特に注意が必要な「見通しを妨げる設備」について解説したいと思います。

風営許可3つの要件

風俗営業許可を取得しようと思ったらまずは場所的要件、人的要件、構造的要件の3つの要件を確認しなければなりません。
この3つの要件に合致しないとそもそも風俗営業を受けることができません。
逆にいえばこの3つの要件さえクリアできれば、許可は必ず受けることができます。
見通しを妨げる設備というものは、この3つのうちの構造的要件に該当します。

構造的要件における見通しを妨げる設備

風営法施行規則第7条に、構造及び設備の技術上の基準というものがあります。
客室の床面積や施錠の有無、照度や騒音などのルールが規定されています。
その中に「見通しを妨げる設備を設けない」と規定されている部分があります。
施工規則には具体的な記載がないので、警察庁からの通達である解釈運用基準をみてみましょう。

見通しを妨げる設備の具体例

解釈運用基準によると、見通しを妨げる設備の例として「仕切り・ついたて・カーテン・背の高い椅子などで概ね1m以上のもの」が挙げられています。
カウンターやボトル棚といったものも当然対象になりますし、天井から垂れているような装飾でも見通しを妨げると判断されればNGです。
端的にいえば、客室に設置する1m以上の構造物は全て対象と考えておけば間違いないでしょう。
ただし、4号営業のパチンコ店と5号営業のゲームセンターではいくつかの例外があります。こちらを詳しく知りたい方はご相談ください。


【追記:2022年4月1日】5号営業でも例外が規定されました。

警察から指摘されないために

1m以上の構造物であれば全て対象となりえると書きましたが、例外はあります。
まず、客室にあることがダメなのであって、調理場に冷蔵庫や棚を設置することや通路に植物を置くことなどは問題ないでしょう。ただし、アイランドキッチンのような構造の場合は、客室の見通しを妨げてしまうおそれがあるので設計の際には注意が必要です。
法の目的は、人目のつかない所でいかがわしい行為が行われるのを防ぐことですから、客室全体を見通せれば警察から指摘されことはありません。例えば、1mを越えていても透明な構造物であれば見通しを妨げることはありませんので、しっかりと説明すれば認められる可能性が高いでしょう。
しかしL字型の構造の場合は、場所によっては全体を見通せない場所が出てきてしまします。その場合は客室を2つに分けるように指導される可能性があります。そうした場合、1室は16.5㎡以上の床面積が必要となります。このあたりは各都道府県によって見解が分かれるところです。(東京都の場合はどこか1か所からすべてが見通せれば許可を受けられます)

最後に

見通しを妨げる設備だろうか?と判断に迷ったら、申請する前にまずは管轄の警察署に相談してみましょう。
とはいえ、行政というものは必ずしも明確な返答をくれるわけではありません。大丈夫といって後から不許可となった場合に責任をとることを嫌がるからです。
実際の判断は、管轄の警察署の解釈の違いや営業所の構造などでケースバイケースになることがほとんどです。
迷ってしまった時は、専門家に相談することもご検討ください。