建設業許可を受けて経審を受ければ公共事業の入札に参加できます。
通常、弊所の業務は許可取得のサポートなのですが、実際に入札に参加して落札した後の業務もなかなか煩雑です。実際に入札業務を自ら実施している経験から、苦労したり注意することを書いてみます。

行政や工事ごとに違う提出書類

一般的な落札後の流れてとして、契約→着手書類提出→業務実施→完了書類提出→検査→請求となるかと思います。
決まった様式のものは行政によって微妙に変わりますが、記入例などに従って記載すれば特に問題はありません。一方、添付書類のような決まった様式がないものは受注者のほうで作成する必要があります。
この添付書類が行政ごとにローカルルールがあったり、求められるクオリティに差があったりします。
以下、主要な添付書類を簡単に解説します。

契約書

金額の大小や工事によっては不要の場合もありますが、まずは発注先と契約を締結する必要があります。
業務請負契約や産業廃棄物処理契約などありますが、行政のほうで雛形を用意しているケースが多いように思われます。工事や行政によっては契約保証金を求められることもあります。

業務計画書

多くの行政が提出を求めるものが業務(施行)計画書です。求められるレベルは行政によってまちまちですが、中には提出不要としている行政もあります。提出不要といっても安全対策のためにも作成しておくことは意味があります。
計画書は工事の目的、手順、工法、安全対策などをわかりやすくまとめる必要があります。
決まった様式はありませんが行政に提出する書類というものはある程度ルールのようなものがあり、記載する事項や文言はだいたい共通しています。そのため1回でも業務(施行)計画書を作成した経験があればそれを基にして肉付けしていくことで対応できるケースが結構あります。

資格者の設置

まず、多くの公共工事では現場代理人の配置を求められます。法律的には設置義務はないのですが、行政機関の内規などで義務付けられています。
その他、建設業法で設置が義務付けられる主任技術者や監理技術者、石綿や有害物などの危険物を扱う場合など各法令で資格者の設置が義務付けられている場合はそれらを疎明する資料が必要となります。

工程表

工程表とは簡単に言うと工事のスケジュール表のようなものです。工事期間や日ごとのタイムスケジュールがわかるように作成しましょう。工程表はネットで検索すればたくさん記入例がでてきます。
行政によって土日の作業の有無や作業可能時間が違いますので事前に確認しておきましょう。

その他

その他、消防への危険物貯蔵申請や警察への道路使用申請など法律で申請が必要となる場合はそれらを疎明する書類を提出する必要があります。申請に時間がかかるものは履行期間から逆算して入札前から申請しておく必要があるケースもあります。落札できなかった場合は申請が無駄になってしまう場合もありますが、落札してから間に合わあないという最悪なケースを免れるためにも万全を期しましょう。

完了書類

業務を実施したら費用を請求するために完了書類を提出する必要があります。完了書類に基づいて検査に合格すれば晴れて請求ができます。
一般的には様式に沿った書類と業務の作業風景を撮影した写真帳や成果がわかる書類を提出します。
写真の撮影の仕方は行政によって細かい指示があったりしますので都度確認しましょう。
最近は写真帳などで便利なソフトもあるので公共工事の受注が多い場合は導入するのもありです。

まとめ

入札というものは相手方が行政機関であることが多いため、必要な書類が膨大になることが多々あります。
デジタル化が進んでるいるとはいってもやはり「役所仕事」は特有の文言や書式があるため、なかなか効率化が進まない部分もあります。そうはいっても工事は生命にかかわることもありますから万全な安全対策や必要な申請は適正に行うことが必要です。
弊所でも入札業務は実際に公共工事を落札して業務を実施した経験がありますのでお気軽にご相談ください。