東京23区の自治体で、住宅宿泊事業法の施設(以下、民泊)に関する条例の厳格化が相次いでいます。
豊島区や墨田区をはじめ、民泊施設全国最多の新宿区、需要の大きい台東区も改正の方針です。
豊島区の住宅宿泊事業法の条例の改正
墨田区の住宅宿泊事業法の条例の改正
騒音や廃棄物による近隣とのトラブルが問題となるケースは増えています。
そのため、ある程度の規制強化は致し方ないともいえます。
しかし、最近の規制では民泊として商売が成り立たないのではと思える内容もあります。
そのため、旅館業許可に切り替えたいという需要が高まっています。
しかし、容易に旅館業許可へ切替ができるわけではありません。
旅館業許可とは
旅館業許可を受けることができれば365日の営業が可能となります。
民泊の場合、年間180日の上限があるため、営業上のメリットは計り知れません。
しかし、民泊の届出とは異なり、旅館業法の要件に合致していないと旅館業許可を受けることはできません。
また、以下のとおり建築基準法、消防法への対応も必須となります。
用途地域
民泊の場合、住宅が建築できれば原則問題とはなりません。(条例により規制している自治体はあります)
しかし、旅館業の施設は、建築基準法により以下の用途地域でしか営業することができません。
- 第一種住居地域(3,000㎡以下に限る)
- 第二種住居地域
- 準住居地域
- 近隣商業地域
- 商業地域
- 準工業地域
また、自治体によっては特別用途地区を規制していることもあります。(文教地区等)
建物が建築基準法に適合するか
通常、民泊の場合、建物の用途は「住宅」や「共同住宅」です。
しかし、旅館業許可を受けるには建物の用途を「ホテル、旅館」に変更する必要があります。
200㎡以下の建物であれば、用途変更の建築確認申請の手続きは不要ですが、建築基準法に適合していることが求めまれます。
まずは、接道要件を確認します。
東京都の場合、建築基準法上の「道路」に4m以上接道していなければなりません。
また、戸建ての場合は、竪穴区画の設置、階段の構造、耐火構造など、マンションの場合は、容積率の緩和措置、避難設備などが問題となります。
弊所では建築士と連携し、入念に調査を行った上で判断しております。
消防設備
消防設備に関しては、民泊施設と旅館業の施設で大きく変わるケースは実はあまりありません。
ただし、50㎡以下の小さな施設で民泊を営業していた場合は、追加の設備の設置が必要となるケースがあります。
また、規模によりますがマンションやビルの場合は、旅館業使用部分の割合によって、大規模な消防設備設置工事が必要となることもあります。
その他、建物の用途が変更されているので防火対象物使用開始届など、あらためて届出が必要です。
各自治体の旅館業法施行条例
東京都の場合、自治体の条例によって旅館業許可の要件は大きく異なります。
特に玄関帳場、緊急時の駆けつけ、鍵の受渡し方法は運用に大きく関わります。
区によって要件が異なるため、事前に条例の確認をしておかないと実は要件を満たせなかったということは少なくありません。
また、自治体によってはマンションの動線規制があるため、その時点で旅館業許可を諦めることもあります。
弊所ではこれまでの実績を踏まえ、各自治体の条例を熟知した上で調査を行い、旅館業許可の可否を判断しています。
最後に
今後、東京23区をはじめ、民泊に対する規制強化が進む可能性は非常に高いといえます。
過剰な規制に対しては、疑問が生じることもありますが、トラブルが増加していることも事実です。
旅館業許可申請においては、建築士をはじめ多くの専門家との連携が不可欠となってきています。
弊所では許可申請、消防設備、建築基準法への一括対応でスピーディーに進めていくことができます。
民泊、旅館業許可申請について疑問点がある方は是非ご相談ください。
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