風営法の正式な名称は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」といいます。「風適法」や「風営法」と呼ばれますが、このサイトでは「風営法」と略します。
さしあたって、風営法を知ろう!と風営法の条文だけを読んでみても、正確な理解を得るのは正直に言って難しいところです。
なぜなら、風営法では大まかなルールのみ定められており、さらに細かいルールについては下位の法令に委任されているからです。
一般的に風営法とよばれているものは国会で成立した法律のことをいいます。

風営法の体系

風営法の体系
  1. 憲法 「日本国憲法」
  2. 法律 「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」国会が制定
  3. 政令 「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令」内閣が制定 
  4. 規則 「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則」国家公安委員会が制定 
  5. 通達 「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」 警察庁から各地方公安委員会へ

上から順に効力が強くかつ抽象的で、下位に委任されるにつれ内容が具体的になっていきます。
つまり、国会で大まかなルールを決め、その範囲内で管轄の国家公安委員会、実務を行う警察庁、各地方機関へ委任されていき、細かいルールが定められていきます。
④の省令までは法規性(強制力)があるといわれています。
⑤の通達は行政機関の内部規則ですので国民を拘束しません(事実上、拘束しているようなものもありますが…)
例えば1号営業(キャバクラやホストクラブなど)では客室の床面積は16.5㎡以上とされていますが、これは省令である施行規則第7条の「技術上の基準」で決められています。
また、よく問題となる接待行為ですが、いったいどんな行為が接待にあたるのか?ということは具体的な例は通達である「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」に書かれています。

その他の法令

これに加えて、全国一律で定められないものは条例、条例規則に規定されます。学校や病院などの保全対象施設と呼ばれるものも、各都道府県の実情に沿ったかたちで定めれれています。
例えば埼玉県では関東地方では唯一、特別養護老人ホームが保全対象施設として指定されています。
その他、パチンコ店の営業時間が都道府県によって違うのもこのためです。
さらに風営法の規制に加えて防災や避難に関する基準を定めた消防法、建築基準法や建築安全条例なども理解しておく必要がありますが、この辺はまた別の機会で説明できればと思います。

まとめ

つまり風営法をきちんと理解して許可を受けたり届出をしようとすると上記の法令を網羅する必要があるのです。
これらをすべてを読み込むのはとても大変な事ですね。
無許可営業で摘発されるかされないかの具体的に基準が、国民を拘束しないといわれる通達に書いてあるなんて普通は考えません。
端的に、開業予定のお店はどんな要件をクリアすれば良いのか? どんな行為はしてはいけないのか?
などなど風営許可でお困りの場合はぜひ弊所にご相談ください。