コンセプトカフェ(コンカフェ)やガールズバーを経営されていて、風俗営業1号許可を受けようと思っている方もいらっしゃると思います。なぜならコンカフェやガールズバーにおいて、無許可で接待行為を行ったということで摘発されるケースが後を絶たないからです。歌舞伎町で人気のあった成人向けビデオメーカーの直営店も無許可営業で摘発されてしまいました。
接待行為にあたるかの判断が難しい場合でも、風俗営業1号許可を受けていれば堂々と接待行為を行うことができます。
しかし、「申請している間は営業を休まなければならないのか?」、「風俗営業の許可は難しいから取らない」といった意見をよく聞きます。
そこで実際にコンカフェやガールズバーが風俗営業許可を受けるための手順や注意点を解説したいと思います。
風俗営業許可を重ねて受けることはできるのか
キャバクラやホストクラブなど接待を伴うお店で飲食を提供する場合は、保健所の飲食店営業許可を受けた上で許可申請を行うことが前提となります。
しかし、風営法では深夜の時間帯(0:00~6:00)にキャバクラのような接待を伴うお店の営業は禁止されています。深夜の時間帯に営業ができる深夜酒類提供飲食店営業の届出を行った場合は接待行為を行うことはできません。通常コンカフェやガールズバーは深夜酒類提供飲食店として営業しているケースがほとんどです。
この前提を踏まえた上で結論から言うと、深夜酒類提供飲食店営業をしている場合は重ねて風俗営業の許可を受けることはほぼ不可能です。
なぜならば同一店舗において、深夜の時間帯には接待行為を行っていないということを警察に納得させることが極めて困難だからです。
原則的な申請の流れ
同一店舗で深夜酒類提供飲食店営業と風俗営業1号許可を重ねて申請する場合は警察も慎重に対応します。
接待行為を行うという風俗営業許可申請をしておいて、一方では接待行為ができない深夜酒類提供飲食店営業を営んでいるという矛盾が生じてしまうからです。
原則としては深夜酒類提供飲食店営業の廃止届を提出した上で風俗営業1号許可の申請を行うことが推奨されます。
コンカフェ、ガールズバーを継続しながら許可を受けるには
東京都の場合、風俗営業許可申請の標準処理期間は土日を除いて55日とされています。つまり営業許可が出るのは申請書が受理されてから約3ヶ月後ということになります。
原則通りの申請を行った場合は、約3ヶ月の間はお店を営業することができません。これは売上的には大きな損失となってしまいます。
しかし、管轄の警察署によって解釈の違いがあることもありますが、営業を継続しながら申請を行うことができるケースも多くあります。
営業を継続しながら申請をする方法
警察署によっては、同一の営業者であれば深夜酒類提供飲食店営業の廃止届の提出は、風俗営業1号許可を受けた後でよいという解釈で申請を受け付けてくれます。風俗営業1号許可を受けるまでは深夜酒類提供飲食店として営業を継続し、風俗営業1号許可を受けたら速やかにに深夜酒類提供飲食店営業の廃止届を提出することで途切れなく営業することが可能となります。
ただし、申請中に接待行為を行ってしまったり、風俗営業許可を新規で受けるための準備を怠ってしまうと許可を受けることができなくなってしまいます。
まずは以下のポイントを確認してから申請を行いましょう。
風俗営業の使用承諾書
お店を賃貸で営業している場合、建物のオーナーから風俗営業の使用承諾が得られるかを確認しておく必要があります。オーナーによってはコンカフェやガールズバーならよいけど「風俗営業」は認めないという方もいらっしゃいます。
風俗営業許可要件に合致しているか
新規での許可申請となりますので、実際にお店が風俗営業を行うことが可能かということを確認する必要があります。場所的要件、人的要件、構造的要件に合致しているかを確認しましょう。飲食店営業と比較して立地条件や人的要件が厳しく規制されています。
また、構造的要件に合致させるために床面積の変更などを行った場合は、変更届の取り扱いに関して管轄の警察署と協議をしておいたほうがよいでしょう。
飲食店営業許可
お店の名称を変更したり、構造や設備に大きな変更がある場合は、保健所の飲食店営業許可の変更が必要となるケースがあります。
誓約書の提出
上記の確認が終わり、風俗営業許可申請を行う際に添付書類として下記の2点に関する誓約書をつけます。
- 風俗営業1号許可を受けたら速やかに廃止届を提出する旨
- 風俗営業許可を受けるまでは接待行為は行わない旨
警察は重ねて申請していることを把握していますので接待行為を行っていないかを確認するために立ち入り検査に入る可能性があります。
もし、許可を受ける前に接待行為を行っていることが発覚したら許可申請は取り下げとなってしまいます。
最後に
このような申請は少々レアなケースとなりますので警察も慎重に審査を行います。
風俗営業許可を受けると接待行為を行うことができますが、深夜に営業することはできず、18歳未満の入場も禁止となります。
本当に風俗営業が必要なのかということをお店のコンセプトを踏まえた上でよく検討しましょう。
深夜酒類提供飲食店営業の届出から風俗営業1号許可に変更する際には、以上のことに留意して慎重に手続きを進める必要があります。
通常の新規許可申請と比較してもスケジュール管理が重要で難易度も比較的高めです。
少しでも不安がありましたらお気軽にご相談ください。
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