同人AVやライブチャットの配信を行う映像送信型性風俗特殊営業が増加傾向です。
先日、警察庁から公表された「令和4年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」によると、風俗営業と性風俗特殊営業を合わせた全体の許可数は減少傾向です。

しかし、新型コロナの5類への移行による需要の回復やスマパチ、スマスロの普及といった新しい動きも徐々に出てきています。
その中でも特に届出数の増加傾向が顕著であり、問い合わせも多い映像送信型性風俗特殊営業について解説したいと思います。

映像送信型性風俗特殊営業とは

近年、YouTubeやX(旧Twitter)などのSNSを活用したサービスは飛躍的に増加しました。
「性」を扱う産業においても同様です。
同人AV制作や動画投稿サイトでの配信などは、以前に比べてぐっと身近になりました。
しかし、風営法では「少年の健全育成への障害防止」が目的の一つとなっているので、インターネットを活用したアダルト映像の配信に対して規制があります。

風営法上の扱い

風営法では、アダルト映像などを有料で配信・販売する営業を規制しています。

 この法律において「映像送信型性風俗特殊営業」とは、専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で、電気通信設備を用いてその客に当該映像を伝達すること(放送又は有線放送に該当するものを除く。)により営むものをいう。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条8項

風営法上でこのような営業は、性風俗関連特殊営業としてカテゴライズされる5つの類型の一つである「映像送信型性風俗特殊営業」として規定されています。

映像送信型性風俗特殊営業の要件

具体的のどのような営業が該当するのかについては解釈運用基準で確認してみましょう。

映像送信型性風俗特殊営業には、客に「性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像」を見せる営業のうち、これらの映像を「専ら」見せるものであって、かつ、客の「性的好奇心をそそるため」見せるものがこれに当たることになる。(解釈運運用基準第7-1)

用語の説明
  1. 「性的な行為を表す場面」とは、自慰行為、性交、性交疑似行為等を行っている人の様子や光景のことをいう。(解釈運運用基準第7-2(1))
  2. 「衣服を脱いだ人の姿態」とは、全裸又は半裸等社会通念上公衆の面前で人が着用しているべき衣服を脱いだ人の姿態をいう。(解釈運運用基準第5-3(4))
  3. 「映像」とは、静止画像のほか、ビデオの映像のような「動く映像(動画)」もこれに含まれる。(解釈運運用基準第7-2(2))
  4. 「専ら」とはおおむね7割ないし8割程度以上をいう。(解釈運運用基準第5-3(2 ))
  5. 「その性的好奇心をそそるため」とは、当該客の性的な感情を著しく刺激する目的であると社会通念上認められるものをいう。(解釈運運用基準第5-3(3))

届出の有無の判断

典型的なものとしては、AVなどのアダルト映像をインターネットで販売するといった営業のことです。
FC2コンテンツマーケットのような販売委託サイトを活用して映像を販売している場合は注意が必要です。
届出が必要か否かについては判断に迷います。
法は、プラットフォームの運営者を想定しています。
つまり、販売を委託している場合は届出は不要ではないかという解釈が可能です。
しかし、サイトを活用して販売している方も対象になるという解釈もあります。

その他、チャットも「映像」に含まれるため、リアルタイムのライブチャットでも映像送信型性風俗特殊営業に該当することがあります。
また、ファンクラブを創設するようなサイトもアダルトジャンルであれば該当することがあります。

映像送信型性風俗特殊営業に当たらないもの

上記の基準に該当すればすべてが映像送信型性風俗特殊営業に当たるわけではなく、以下のものは対象とはなりません。

放送又は有線放送

「放送」または「有線放送」とは地上波のTV放送やCS放送、ケーブルテレビなどのことです。
そもそも放送等で規制されているので風営法で重ねて規制されることはありません。

バナー広告

ホームページなどに設置されるバナー広告なども映像送信型性風俗特殊営業にはあたりません。

営利性がないもの(営業ではない)

無料で映像を視聴できるものは映像送信型性風俗特殊営業にはあたりません。
ただし、一部が無料で他の有料サイトに連動している場合は、全体として営業に当たるケースはあります。

海外サイト

日本国内で営まれる営業のみが該当します。
ただし、単にサーバーが海外にあるからといっただけでは国内で営業しているとはいえません。
海外サイトを利用しているから対象外といったことはなく、実態で判断されます。

映像送信型性風俗特殊営業の届出

映像送信型性風俗特殊営業に当たる場合は、事務所の所在地を管轄する公安委員会(警察署)に届出をする必要があります。

届出事項

公安委員会に対して届け出る事項は下記の通りです。
営業を開始する10日前までに管轄の警察署に届出書を提出する必要があります。
届出確認書が交付されたら、すぐに掲示できるように保管しておきましょう。

公安委員会に届け出る事項
  1. 申請者の氏名又は名称及び住所 法人の場合は代表者の氏名
  2. 広告・宣伝をする際に使用する呼称
  3. 事務所の所在地
  4. サイトのURL(複数ある場合はすべて)
  5. プラットフォーム等を使用している場合はその氏名又は名称及び住所

届出書様式はこちら→映像送信型性風俗特殊営業営業開始届出書

添付書類

届出の際には、届出書とあわせて下記の添付書類が必要となります。

営業の方法を記載した書類

様式が定められていますので警察署のHP等からダウンロードして記載しましょう。
様式はこちら→営業の方法

事務所の使用について権限を有することを疎明する書類

映像送信型性風俗特殊営業の届出をするためには事務所の設置が要件となります。
そのため、事務所として使用していることを疎明する書類が必要になります。
自己所有であれば建物登記事項証明書で所有権を確認できますが、賃貸の場合は、登記事項証明書に加え、賃貸借契約書とオーナーからの使用承諾書で権限を疎明します。
その他、簡単な事務所の図面、営業所周辺の地図があれば間違いありません。
レンタルオフィスでも認められますが、事務所を使用している実態があることを証明する必要があります。(写真等を追加する)
映像送信型性風俗特殊営業の届出において、事務所の確保が一番高いハードルであることが多いです。

申請者に関する書類

個人の場合・・・住民票
法人の場合・・・定款、登記事項証明書及び役員全員の住民票

定款の事業目的に映像送信型性風俗特殊営業を行う旨の記載が必要です。
しかし、融資や補助金の関係から直接的な表現は避けておいたほうが無難です。

サイトごとの届出が必要

映像送信型性風俗特殊営業の届出はサイトごとになります。
複数のサイトを運営している場合は、それぞれについて届出が必要となります。
デリヘル(無店舗型性風俗特殊営業)は、サイトが複数あっても営業者単位での届出になることと混同しないように注意しましょう。

18歳未満の者の利用制限

性風俗関連特殊営業という扱いなので18歳未満の者を客としてはいけません。
そのためにサイトには18歳未満の者が利用できないような対策をしておく必要があります。
具体的には免許証やパスポートで年齢を確認してIDやパスワードを発行するといった措置になります。
このような措置を行わなかった場合はクレジットカードなど、18歳未満の者が通常利用できない決済方法以外では料金を徴収できないとされています。(風営法31条の8第3項)
また、18歳以上である証明を受けるか、18歳未満の者が通常利用できない方法により料金を支払う旨の同意を客から受けた後でなければ、その客に映像を見せてはいけません。(風営法31条の8第4項)

最後に

現在では通信機器の性能が向上しているので気軽に高品質な動画なども投稿できてしまいます。
しかし、その分知らないうちに法律違反を犯していたという事例は少なくありません。
最近ではAV新法にの対応した営業も求められています。
無届で映像送信型性風俗特殊営業を営んだ場合は、6月以下の懲役又は100万以下の罰金(併科あり)に処されます。
弊所では風俗営業が可能な物件の紹介から申請、AV新法の対応も可能です。
不明点などありましたら無料相談も承っておりますのでお気軽にご相談ください。

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